平清盛

2012年1月31日(火)

歴史上の人物のイメージは、時代背景やベストセラーの本などに左右されます。戦前は、足利尊氏は逆賊で楠木正成は大忠臣、坂本龍馬のイメージは司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の影響が大です。今年の大河ドラマ「平清盛」の登場人物は、源氏も平氏も吉川英治の「新・平家物語」の影響が僕にはかなりありました。そうしてみると、今回の大河ドラマはかなりイメージが違っていて、最初は戸惑いましたが、考えてみると人物像なんてのは想像でしかないので、ま、これもありかって感じで見ています。それよりも最初から面白いなと思ったのが、テーマミュージックに「梁塵秘抄」の「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん」が使われていることでした。梁塵秘抄は後白河法皇が、当時の流行歌である「今様」を編集したものです。「子どもは無邪気で、遊ぶために生れてきたみたいだ」と、大人が羨ましがっている光景を歌ったものでしょうか。でもこの「遊び」っていいですね。観音様がおやさしく感じるのは、衆生を救うのにこの娑婆世界に「遊びに」来る感覚でいらっしゃっているからだそうです。適度な緊張感を持ちながら、それでいて悠々とまるで遊んでいるような感じで生きていけたら幸せだと思います。一切衆生がそんな風に過ごせていけたら、僕たちカウンセラーは失業でしょうけどね。

牛肉と馬鈴薯

2012年1月29日(日)

何年たっても頭の中に引っかかっている言葉ってあるものですね。多分(ほんとにあやふやですが)高校時代、授業中にある先生が「若いころ、国木田独歩の『牛肉と馬鈴薯』を読んで感心したものだ」と言われ、それがずっと頭の片隅にこびりついていて、これまた多分大学時代に新潮文庫で買って読みました。その時の感想は「ふ~ん・・・」くらいだったと思います。でもその後何十年もたまにふっとこの作品の中にある「吃驚(びっくり)したいというのが僕の願いなんです」という箇所が、思い出されるのです。以前から「仏教と心理学」ということが僕のテーマで、「十牛図」(山田無文:著)という仏教書を読んでいて、古来悟りを開かれた方たちは、僕たちがいつも見ている自然の有様を見てある日突然それが物凄いことであることに「驚いて」悟りを開かれたと書いてありました。例えばお釈迦様は明けの明星を見て、霊雲和尚は桃の花を見て、無門和尚は食堂の太鼓を聞いて、香厳和尚は掃除をしている時に瓦のかけらが竹藪の青竹にカチーンとあたる音を聞いて悟りを開かれたそうです。いつも何気なく見たり聞いたりしていることが実は「驚くべき真実」を語っているということらしいのです。そう思うと、日本の四季それぞれはなにか意味のあることのように思えてきます。ま、願わくは、お酒飲んでいる時に悟りが開ければ幸せなんですけどね。

出張

2012年1月18日(水)

今朝早く、娘の那奈が大阪に一泊で出張があるというので、地下鉄の駅まで車で送りました。女の子はこの程度の出張でも、沖縄旅行にでも行くのかと思えるほどのトランクを持っていきます。でも送っていきながら、自分の娘が「出張」に行く年齢になったのか、と感無量でした。考えてみれば僕が2年半のサラリーマンを経て父親の会社へ戻ったのが24歳の時で、それから数年間は全国を挨拶回りで出張したり、自分の営業テリトリーの北陸や和歌山などへ毎月行ったりしていましたので、娘の年齢での出張を驚くことはないのですが、でもね、他人ではなくて自分の子どもとなるとやはり思い入れが違いますね。あの頃は北陸などは社用車で行きましたから、福井・石川・富山とぐるっと回ってくると確か7~800kmくらい運転したような気がします。その頃与えられていた社用車の走行距離が5年で25万kmくらいだったかな。随分と日本国中飛び回ったものでした。それに比べて大阪の一泊二日の出張なんか、とは思ってみても、これも親ばかの表れでしょうか、そんな仕事もするようになったのか、と感心してしまいます。ま、感無量といえば、自分の年齢にも感無量、駅まで送って行く親ばかさかげんにも感無量、ですけどね。

FIFAバロンドール

2012年1月10日(火)

朝一番に、国際サッカー連盟(FIFA)の女子世界最優秀選手に澤穂希選手、世界最優秀監督に佐々木則夫監督が選ばれたというニュースが飛び込んできました。よくやった!と思う気持ちと、なるほどな、と納得する気持ち。何はともあれおめでとう!昨年はマイナス面が大震災なら、プラス面はなでしこジャパン一色でしたので、このニュースはとても気分が明るくなります。人間はともすると結果だけを追い求めがちなので、一番大切なのは「過程」だ、とは分かっていても、やっぱり今回の結果は日本人として理屈抜きの嬉しさがあります。目指すものがある人間は輝いていますね。そしてなでしこジャパンの輝きは、日本サッカー協会がフェアプレー賞を受賞したこととも大きく関係していると思います。勝てばいい、ではなく、フェアに戦ってゲームが終わればお互いの健闘を称えあう、その結果の優勝は世界中の誰が見ても美しいものです。さて、と我を振り返ると、最近のどから手が出るほど欲しいものがありません。それはそれで気楽なことですが、がむしゃらに心理学の資格を取りまくっていた頃が懐かしくもあります。試合や試験があるからそれまでの期間を一生懸命集中できる、いつやってもいいよでは気合が入りませんね。目指すものがないのなら、せめて爽やかに生きることを意識していきましょうか。それにしても澤選手、うらやましい・・・。

お正月気分

2012年1月 8日(日)

今年のお正月休みはカレンダーの関係で短かったですけど、出社して1~2日でまた三連休という方も多く、まだお正月気分が抜けない人が多いようです。でも昨日ある方から「なかなかお正月気分が抜けなくてね」と言われたときは、別の意味でドキッとしました。その方は昨年末で60歳定年されて、今年からは奥さんから「毎日お昼を家で食べるのね」と嫌味を言われているそうです。誰の作品だったか忘れましたが、「毎日が日曜日」という小説があって、要するに定年後の話です。同じように年末で退社されれば、いつまでたってもお正月気分なのかもしれません。女性は炊事・洗濯・掃除などの家事をされているので、毎日が暇ということにはならないのでしょう。だったら定年後の男性も、家事をやればいいのに、と考えてしまいますが、まだまだ僕たち昭和20年代生まれの男性は家事は女性がするものだという観念が強いのかもしれません。幸いにも僕は掃除が大好きで、自宅のほとんどは僕が掃除機をかけますし、簡単な食事なら料理教室に通ったこともあるので出来ますから、同じ境遇になっても暇でしょうがないってことはないかもしれません。多くの人は定年後に時間ができたらやりたいことは沢山あるんでしょう。でも残念ながら毎日が日曜日になると気力が出ないようです。永遠にお正月気分、にならないようにたまには奥様を一週間くらい旅行に出して、命の洗濯だけではなくて下着の洗濯くらいはできるようになりたいものですね。

青い鳥

2011年12月30日(金)

誰でも知っている、メーテルリンクの童話です。チルチルとミチルが幸せの青い鳥を探しに旅に出ますが、捕まえたと思ったら死んでしまったり、色が変わってしまったりして、がっかりして家に帰り着いたら鳥籠に青い鳥がいた、というお話です。このお話を都合よく使って、「幸せは結局は身近にあるから、遠くまで探しに行く必要はないんだよ」とお説教する人がいますが、なにか抜けてやしませんか?僕はこう思います。「幸せが身近にある、と気がつくのは、幸せを求めて冒険の旅に出かけた人だけなんだよ」。青い鳥症候群という言葉があります。自分に合った幸せを求めて、なかなか落ち着いた生活が出来ない人たちです。行動がともなっていなければ「冒険」とは言えません。身も心も傷つき、それを克服してこそが真の冒険で、頭の中だけでグルグル考えているのとは違います。その結果、幸せが身近にあるのか別な場所にあるのかが分かるのだと思います。青い鳥症候群の人たちには、「行動」が欠けているような気がします。僕はこの一年間で、名古屋のほかにはユートピアはないことに気がつきました。冒険の旅の結果だと思います。そして性懲りもなく、来年はもう一度今年とは違った目的を持って冒険の旅に出かけようと思っています。ワクワクする年末です!

幸福度

2011年12月26日(月)

今朝の日本経済新聞に、都道府県別の「幸福度」の記事が載っていました。ブータンの国王と王妃が来日した影響で、法政大学が指標を作成してランキングを発表したものです。注目すべきは、1位福井2位富山3位石川と北陸3県が上位を占めていることです。ちなみに最下位は大阪、愛知は21位でまあまあ、東京は38位、45位が兵庫、46位が高知、という結果でした。幸福かどうかは本人の主観なので、要するにいかに現状に満足しているか、ということになるのでしょう。財産を1000万円持っている人のほうが100万円の人より幸福ということには必ずしもなりません。仏教に「少欲知足」という言葉がありますが、欲望がまったく無くなっては人間らしくないけれども、少しの欲望が満たされることで満足するのが幸せ、という意味でしょうか。確かに欲望というものは無限に広がっていくので、追い求めれば永久に追っかけることになって、満足しませんよね。それよりも「ほどほど」を知っている人が幸せって事ですかねぇ。そんな風に考えると、今年の日本は今までのように、物や金があれば満足、という考え方をほんの少し修正できたのかもしれません。家族の笑い声、隣近所との気持ちの良い挨拶、食事が毎日おいしく感じられること等々。最近の僕の幸せは、今年も玄関のさざんかが綺麗に咲いたことです。ただその反面、アルコールに対する欲望が、少欲知足といかないところが悩みの種です。

クリスマスプレゼント

2011年12月25日(日)

我が家では、12月23~25日のうち家族4人が都合のいい日にクリスマスパーティをします。毎年決まって、「鳥照」という、街の小さな鳥屋さんで鶏の丸焼き(2600円で家族4人が食べきれないくらい大きいです)と、シャンパーニュ(最近ではちょっと豪勢に、モエシャンドンのロゼです)を用意します。娘の那奈へのプレゼントは、好きな服を買いたいというので毎年現金で渡しますが、彼女からのプレゼントがいつも物凄く楽しみです。僕の誕生日・父の日・そしてクリスマスプレゼントの三回、親バカだとは思いつつ、本当にセンスのいい考えて選んだ物を贈ってくれます。今年はなんと「マリコ様の写真集」でした!お分かりにならない方のためにご説明を。篠田麻里子ーAKB48所属。変動の激しい総選挙でも、今年は4位昨年は3位と大健闘。じゃんけん大会で優勝して、初のセンター「上からマリコ」が大ヒット。え?なんで嬉しいかって?だって、大ファンですもん!大島優子よりも、前田敦子よりも、板野ともちんよりも、柏木由紀(ちょっとカワイイかな)よりも、なんてったってマリコ様です!書斎にも写真が貼ってありますし、ユーチューブで「上からマリコ」はしょっちゅう聞いてます。そんな父親の好みというか弱点を、那奈はよく見抜いての今年のクリスマスプレゼントでした!彼女に渡した現金でのクリスマスプレゼントが安く思えるほど嬉しかったです。サンタさんは本当にいるんですね。

「絆」

2011年12月23日(金)

今年を表す漢字としては、なるほどなと思いました。僕も今年は久しぶりに「日本人なんだなぁ」と感じさせられました。確かに3月の大震災は、未曾有の大惨事でしたし、お亡くなりになった方たちはもちろん、いまだに帰郷できない方々の冬を思うと心が痛みます。しかしこの大事件があって、日本人は日本人らしさを取り戻せたのかもしれません。僕が自分自身の平成23年を表せば「大疑団」となるでしょう。これは禅の言葉で、修行中の僧が仏教や仏について一度は通過する疑問だそうです。「本当に仏はいるの?」「仏教って役に立つんだろうか?」僕に置き換えれば「心理学って役に立つんだろうか?」という疑問でした。もちろん大震災、そしてその前後に親しい人たちの「死」に向かい合っての事です。35歳の時に発症した「うつ」がきっかけで、40歳にして心理学に出会い、今までこれほど信じきっていた学問に疑問がわき、今年はほとんど勉強せず、仏教の本ばかり読んでいました。でもこの1年があったおかげで、冬になってやっとまた心理学を勉強しようという新たな気持ちになれました。そして、この大疑団を通過した前とは「僕の心理学」は以前とはまるで違っていると思います。もしかすると日本人全てが、「これでいいのか、日本?」という大疑団の年だったのかもしれませんね。

映画「お葬式」

2011年12月12日(月)

故・伊丹十三監督のデビュー作(昭和59年)を、久しぶりに見ました。伊丹十三はもともとは俳優で、51歳の時に初めてメガホンを取り、その後「マルサの女」「ミンボーの女」などの名作を次々に発表しました。ほとんどの作品に宮本信子(監督の奥さん)と山崎努が出演していますが、なかなかいい味を出しています。お葬式をテーマにするという、当時ではそれまでの常識を覆した画期的な作品です。人間歳をかさねると通夜・告別式に出席する機会が増えてくるものですが、喪主となると経験する方は限られてきます。僕は二度身内の葬儀を出したことがあって、最初は父方の祖母でしたが当時父が脳梗塞でリハビリ中だったので実質の喪主を務めました。分からないことばかりで、祖母の死を悲しむどころの騒ぎではありません。全ての段取りは葬儀屋がやってくれますが、その一々の費用の相場がさっぱり分からないのです。父の経営している会社の社葬のためもあって、結果的には総費用は家が一軒建つくらいの金額がかかってしまいました。(数年後の父の葬儀の時は経験していたので半額で済ませましたけどね)そんなことを思い出しながら映画を見ていると、「そうそう、分かる分かる」という場面ばかりでした。あわただしく過ぎるから、気持ちの整理がつくのかもしれませんけどね。さて自分の葬儀の時は・・・。ま、この映画でも見ながら残った家族に考えてもらうことにしましょうかね。

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